クルーズニュース|2020年9月
September 29, 2020

日本やアメリカでは、まだ再開されていないクルーズですが、限られたエリアとクルーズラインは既に大型クルーズ客船が運航を開始しています。

今回は特に、MSCの行っているコロナ対策に重点を置いてお伝えします。

まずMSCですが、MSCグランディオサが8月下旬に、4つの寄港地を含む、7日間のイタリア周遊クルーズを始めました。
乗客定員6334人ですが、2500人ほどに人数を制限しての再開でした。

クルーズ客船はコロナ対策を万全にしており、乗船前のテストはもちろんのこと、乗客を減らして運航、公共エリアでのマスクの着用(レストランやプールデッキなどは除く)、ソーシャルディスタンスの強化、乗客はヨーロッパ在中の人に限ること、あとはリストバンドを搭載しました。

このリストバンドはトラッキングが付いていて、自分がどこで、誰とどれくらい時間を過ごしたかが分かるため、万が一ケースが発生した場合は、その情報を元にスマートに対応できるようになっています。


もちろんこのリストバンドで、ドリンクをオーダーしたりもできるので、近い将来、確実に搭載されるであろうテクノロジーが、一歩早く始まったというところでしょうか。

リストバンドでお部屋のドアを開けたりするテクノロジーは、プリンセスクルーズが、コロナの前から取り入れてましたが。そのうち前クルーズラインで取り入れられるかそれ以上のテクノロジーが搭載されるでしょうね。楽しみです。

クルーズ客船はのビュッフェは、好きな時に好きなものを好きなだけ食べれるので人気なのですが、ここも対策がしっかりとられています。

乗客はトングを触らず、各エリアに専属スタッフがいて、食べ物はそのクルーによってお皿に盛られます。
これはかなりの感染対策になりますね。

レストランでは各テーブルにQRコードがあり、ゲストはそこから自身のスマートフォンなどでメニューを見てオーダーすることができます。もちろん紙のメニューも用意されていますが、これもかなりの感染対策になると思います。

そして、前回のクルーズニュースでも触れましたが、寄港地では、クルーズ客船が催行するツアーに参加する乗客だけが下船を許されていました。

最後の観光については本当に納得で、やはり乗客が下船した際のマスクの着用など監視できませんし、どこで何してたか分からない乗客を再度乗船させるのは感染のリスクが高すぎますよね。船側がこんなに一生懸命投資してコロナ対策をしているのに、ウイルスを持ち込まれてしまってはこの努力が水の泡ですから。

というわけで、この義務を乗客が知らないわけはないんですが、このクルーズでは1組の家族が、クルーズ客船のツアーに参加した際にグループから離れて単独行動をしたという出来事がありました。

クルーズ会社の対応が素晴らしいと思ったのは、クルーズ客船側は、その乗客の乗船を許可しなかったことですね。

ルールはルール、もしこれでこの乗客の乗船を”特例”とかで認めて、万が一ウイルスが蔓延した場合の損害は想像するだけでも恐ろしいですね。

まぁそんな出来事があったおかげで、このニュースはクルーズ業界で話題になりましたし、その後のクルーズで乗客がそのような自分本位な行動は今日までありません。

ちなみにツアー代金はツアー3つで100€だそうです。ツアー代金はツアーの長さや食事が付いてるかなどによって様々なので一概に安いとも言い切れませんが、個人的にこの値段は悪くないと思います。

ちなみに仕事に戻るクルーも、仕事前に14日間隔離をされますし、勤務を開始した後も、1日2回の体温測定が義務付けられています。

このMSCグランディオサは今日まで大きな問題もなくクルーズを催行しており、年末まで同じ航路をまわるそうです。

MSCのサイトをチェックしたところ、予約が11月からになっていたので、10月一杯のクルーズは売り切れのようです。

ちなみにMSCは、MSCマグネフィカを、イタリア発着で、ギリシャを航路に含むクルーズを行う予定でしたが、10月後半に延期されたそうです。理由は、ギリシャへ行った乗客は、帰ってきた後14日間隔離されなければならないという新しいルールができたのが理由です。

ギリシャの観光シーズンは3月~11月なので残念ですが、現在のクルーズ客船業界では、こういった変更は現時点ではよくあることなので、仕方がないですね。

MSCに続いてコスタも9月初旬にイタリアクルーズを再開しており、乗客はほぼイタリア人です。さらにコスタは9月中旬に2つ目のクルーズ客船をジェノバから出港させています。

アジアにおいてはゲンティンクルーズがショートクルーズを再開しています。

お、クルーズ客船はぞくぞくと再開してるのか?というとそうでもなく、例えばイギリスのクルーズ会社P&Oクルーズは、2020年のすべてのクルーズをキャンセルしていますし、ロイヤルカリビアングループも、年内のオーストラリアとニュージーランドクルーズのキャンセルを発表しています。

オーストラリアは、2020年12月17日までボーダーをシャットダウンすると決定したのが理由です。
クリスマスにはみんなが休暇を楽しめることを願います。

日本やアメリカは11月頃になる予想で、ブラジルのクルーズシーズンは10月からだそうですが、こちらも11月から再開予定です。

悲しいニュースとしては、カーニバルコーポレーションが合計18隻の船をクルーズ客船を売却したことですね。

早く世界中で自由に旅行が出来る日が来てほしいですね。

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Eri Kimura

2011年よりクルーズ客船で勤務、現在まで海外クルーズ客船を3社経験。

休暇は海外で生活することが多いため、1年のうち10カ月ほどを海外で過ごす。

現在、ノマドライフを確立すべく奮闘中!

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